1. 恋愛でも営業でもほとんど無意識レベルで心理学テクニックを駆使して相手を落とした時期があった。しかし、そうやって得た関係の多くは今考えると結果としてニセモノだったことが多い気がする。なぜなら、自分自身が本気で(彼らを愛していたわけで)はなかったから。
  2. どんなに良いテクニックを駆使して構築した関係も本気の愛をぶつけることで構築された関係にはかなわない。今も「クライアントを本気で愛しているか?」常に問い続けたい。
  3. 「マーケティングとは戦争なのか?恋愛なのか?」の議論は良くある話だが、そんなことを議論すること事態に何の意味もない。それどころかそのようなことを二元論化してしまうこと自体が、すでに顧客不在であり商売に対する認識の甘さの現れである。
  4. と言いつつも、少し持論を持ち出すとすると…新規客獲得は確かに「戦争」だと言える。「恋愛」においても相手を振り向かせるまでは戦争のようなものだし、そもそもビジネスは売り手も買い手も一夫多妻や浮気が容認される厳しい世界。
  5. しかし、既存客との関係構築や客失防止(=顧客生涯価値の創造)は「恋愛活動」に近い。つまり、「戦争」と「恋愛」どちらの視点も基本的には欠けてはならないということ。また、「恋愛」という思考が基本にあって、その上で「戦略的思考」が必要ということでもある。
  6. 商売においてまず必要不可欠なのはやはり「愛」という視点。自身の商売を愛せない人間はお客さまを愛せない。お客さまを愛せない人間は自身の商売を愛せない。一貫してお客さまに対する愛の無い小手先のマーケティングは、企業に長期的な利益をもたらすことはない。
  7. その視点は商売人にとっては本来当たり前なことだが、コンサルタントはそれが欠けていることが。コンサルはクライアントと同じ視点に立つことが重要。つまりクライアントに加え彼らの顧客に対しても愛情を持つことができるかも支援成功の鍵。(そこまで考えなくてもうまくいくのは、小手先レベルまで)
  8. マーケティングについて深く語る際は、事業規模・事業内容・ステージでとるべき戦略が異なるという前提を忘れてはならない。(自身が考える「常識」も他の人にしてみれば「非常識」になりうることと、他人の「非常識」からでも何かを「学び」「活かす」ことができうることを忘れてはならない。)
  9. 「お客さまは神様」と言われるが、売り手は自分たちがどの神様を拝むのかを選ぶことができる。従業員満足を高めたりインナーブランディングを高める意味でも、顧客に提供する価値を最大化させる意味でも、自分たちが本気で愛する(ことができる)お客さまは誰なのかを決めておくことは非常に重要。
  10. ちなみに、私は主に中小企業を支援する立場にありますので、大企業に勤務されている方や大企業支援を前提としている方にとっては、少し違和感がある話をすることがあるかもしれません。(大企業の戦略と中小企業の戦略では基本的に大きく異なりますので、十分に咀嚼されることをおススメします。)

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